ありがとう!高千穂線
12月23日、高千穂へ行ってきました。
今回は、高千穂鉄道に感謝の気持ちを伝えるイベント「ありがとう!高千穂線」への参加。
※詳しくは、高千穂あまてらす鉄道のホームページ(http://www.torokko.jp/)をご覧ください。
イベントでは、高千穂線への感謝の気持ちをいろんな形で表しました。
高千穂線で活躍したディーゼルカーや駅舎のそうじ、駅構内の草刈りなどをして、鉄道がきれいに。長期の休止状態が続いていますので、何もしなければ荒れ果ててしまいます。でも、きれいにすることで、廃止を目前にして、美しくお別れできるように。
高千穂線の傘戸トンネルの工事に携わった、高藤仁市さんの話からは、鉄道建設に苦労され、そして開通の喜びを感じた、諸先人方の思いに心をめぐらして。
そして、花の種をいれた300個の風船を空へ飛ばして、感謝の気持ちと未来への願いを伝えて。
お昼には、高千穂で捕れた猪や野菜がたっぷりのしし鍋のふるまいもありました。
とてもおいしくて、心もからだもポカポカに。
ところで、今回のイベントを通じて、高千穂線への感謝の気持ちや、色あせることのない熱い想いを強く感じました。そんな想いを受けて、鉄道を廃止する上での判断基準について、改めて考えなおしてみました。
近年、鉄道の存続問題において、鉄道存続の判断基準のひとつとして、費用便益分析が重要視されています。これは、経済学的な視点からみた判断基準といえます。たとえば、ある鉄道を存続する上で、もし「(社会的)総便益<(社会的)総費用」となれば、その鉄道は社会にとって損失を与えていることになるので、その廃止は正当化されるというものです。
しかし、費用便益分析を鉄道存続の判断基準に用いる上では、留意すべき事項があります。
経済学においては、「すべての要素を貨幣換算できる」という、前提条件があります。費用便益分析においても、これは例外ではありません。ところが、今回の高千穂線のイベントで謳われたような、先人たちの苦労とか感謝とか、そういった心情や想いを貨幣換算することは、実は困難(不可能?)。現実の費用便益分析では、心情や想いを反映できているとはいえない(反映していても限定される)点を押さえておかなければなりません。
もちろん、心情や想いだけで鉄道を存続することは、きわめて危険であることはいうまでもありません。鉄道を運営することは、経済活動の一環ですので、そこで経済的な要素を無視するということはありえません。
いま重要なのは、商事的な鉄道運営の視点、公共的な鉄道運営の視点、そして市民的な鉄道運営の視点、この3つの視点をいかにバランスをとって、鉄道運営を実現するかということでしょう。商事的な鉄道運営と公共的な鉄道運営の両立は、鉄道政策論において伝統的に議論されています。しかし今、鉄道に対する人々の心情や想いが、これほどにクローズアップされている時代はありません。人々の心情や想いは、市民の視点に基づくもの。この視点を鉄道運営に反映するには、市民的な鉄道運営の視点を導入することが求められています。
高千穂線は12月28日に廃止されますが、そこからは、新たな時代の鉄道運営のあり方を考える機会がもたらされているように思えてなりません。そして、その新たな時代の鉄道運営が、高千穂線の再生につながれば、本当に望ましいのですが・・・
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